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「ミナリ」
Minari
2020年 (アメリカ)
来月、今年度のアカデミー賞が決まります。
「ドライブ・マイ・カー」が作品賞をはじめ、沢山ノミネートされて楽しみが増えましたね。
授賞式を前にして、昨年6部門でノミネート、助演女優賞に輝いた「ミナリ」を紹介します。
なんてね
実はつい最近、やっと観たところです。
なんか、憂鬱で。観たくなくて。
家、燃えてるし。
韓国からアメリカに渡った家族の物語である事はわかります。
そんなの苦労するのに決まってるじゃないですか!
お父さん、失敗するに決まってる。
どうすんだよお。
病気だと医療費かかりそうだし!
苦労する親の姿を見たくない。
いえ本当は、不安にさせられるのが辛い
どうする気なんだろう。
どうしてこのまんまなんだろう。大丈夫かな。
この先がどうなるか分からない。
自分にはどうにもできないし。不安なまま子どもでいるしかない。
憂鬱だ。
燃えてるし
火事って一番怖い。
でも、頑張って観ました。
別に、無理して観なくていいんですけどね。
どうだったかというと、
すごく、良かった~
無理してでも、観て良かった
(やれやれ)
〈eiga.com〉
あらすじ
80年代。
アメリカに移住した韓国人一家が、アーカンソー州に移り農業を始めます。
お父さんの気持が先行した移住であり、
お母さんは納得していないため夫婦喧嘩がたえません。
息子は心臓の病気を抱えています。
農業用水が干上がったり、野菜の出荷先にキャンセルされたり、
大変なことばかりです。
韓国のお祖母ちゃんに助けに来てもらい、うまくいくかに見えましたが、
またも大変な事が起きてしまいます。
感想
大変ですよもう
大変な事ばかりなのにね。
最後、とてもいい。
色々困難を乗り越える感動物語~
という感じだけど、
という感じでもなく、
どうして観終わってこんなに明るい気持ちになっているのか、ちょっと不思議。
観終わった後の”明るい衝撃”が今までにない感じで、さすがアカデミー賞ノミネートされるだけはあると思いました。
移住して農業を始めるなんて、リスクありすぎで、うまくいかなかったケースが多いのではと、考えると思うけど。
日本からも、大規模農業を目指し移住してたと思います。
特に韓国の場合、夫婦が移住した70年代は朴大統領が暗殺された不安な時代。
80年代でもまだ軍の影響が強い政権です。
夫婦にとってアメリカはものすごく自由で、可能性にあふれた場所だったのではないでしょうか。
差別や災害があるとはいえ、アメリカはやはり豊かに見えます。
竜巻に吹き飛ばされそうなトレーラーハウス(コンテナハウスみたい)を初めて見て、お母さんは愕然とするけど、私は内装が豪華でさすがアメリカと思ってしまった。
冷静になって観てみると、家族の状況はそんなにひどくなかった。
昔の貧乏物語ってわけではないので。
お父さんは実はひよこの雌雄見分けの能力あるし
(日本人もそれで財をなすひといますよね)
機材や苗を買う蓄えある。
原野を開墾するわけではなく、たいして草ぼうぼうでもない土地と家もある。
(誰も買いたがらない土地のようですが)
親がこれからどうなるのかわからないのを、子どもが見てるのって、やだなあと思ったけれど。
まあでも
昔はけっこうこんな感じだったかも。
結婚して、から、どうやって生活するか頑張る
子どもが産まれて、から、育てるために頑張る 感じです。
あんまり若い人には受けてないでしょうか。
アメリカで評価されたのも、移住の物語に共感するから。
開拓時代へのノスタルジーであるとも。
私は結局、たくさん困難はあるけれど、土地を手に入れ、自分の人生を自由に生きようとする姿に感動しました。
自由な土地で、自由に生きる人生というもののパワーがガツッと来ました。
それって、区画整理された環境ではなかなか得られないように思います。
そして映画ではその力強さ、バランスが良いんです。
お父さんは自分の夢を追いたい。でもお母さんの気持ちは大事にせず、自分勝手とも言えます。
結局、嫌々ながらお父さんに従っているお母さんの姿は、封建的なアジアの家庭に見えます。
しかしお母さんはそんな夫婦関係に、自分の母親を投入。
お祖母ちゃんは奔放で、真面目なお母さんと正反対。でもお母さんにとってとても大切な人みたいですね。移住先に親がきてくれて、すごくほっとしてる。
無理してたんだなあと思います。
理性的に見える母さんは同時に信心深く、お父さんが信頼する隣人に、家にいた幽霊の除霊をしてもらったりする。
その隣人がまた変わっていて心配になる。
おとうさんは信仰とかすきじゃない。
お祖母ちゃんは臭い、などと嫌がっていた長男は、そのお祖母ちゃんに強さを見出されます。子どもたちは、お父さんの買った豊かな自然の中で成長を始めます。
夢や不安、不満を抱えたそれぞれが自由に生きて、力強い家族になっていく物語です。
staff & cast 紹介
監督・脚本/リー・アイザック・チョン
音楽/エミール・モッセリ
撮影/ラクラン・ミルン
編集/ハリー・ユーン
キャスト/
父親ジェイコブ・イ…スティーヴン・ユァン
母親モニカ・イ…ハン・イェリ
長男デビッド……アラン・キム
長女アン……ノエル・ケイト・チョー
祖母スンジャ……ユン・ヨジョン
隣人ポール……ウィル・パットン
リー・アイザック・チョン監督
監督は韓国系アメリカ人です。デンバー生まれですが、その後家族でアーカンソー州の農場に移ります。
映画「ミナリ」は監督の子ども時代がもとになっていたんですね。
観終わって、この子どもが大きくなって映画をつくるまでになったのかと、感慨深いです。
実写リメイク版「君の名は。」を撮る予定でしたが、都合で降板となったのが残念ですね。
お父さん役スティーヴン・ユァン
「オクジャ」や「ウオーキング・デッド」出演で知られてますね。
特にイ・チャンドン監督作「バーニング劇場版」(2018年)の演技が高く評価されました。
(「バーニング劇場版」は村上春樹「納屋を焼く」が原作です。原作は気持ち悪くて好きですが、映画の方は怖くなってリタイヤしてしまいました)
お祖母ちゃん役ユン・ヨジョン
ドラマや映画でよく見ていた気がします。
韓国ではとても尊敬され、愛されている女優さん。
この方のおかげで家族はなんとかなる。
花札を打つ奔放そうな様子から、半身マヒの姿まで、
味あるすごい役者さんでした。
アジア人として二人目の、アカデミー助演女優賞を受賞です。
授賞式の時、プレゼンターの制作総指揮ブラピに対して「あなたどこにいたの?」(訳で違います)とぽんぽん言ってる様子が良かったです。
ブラッド・ピットは制作会社プランBエンターテイメントの設立者。
この作品はプランBと、もともとインディペンデント系A24が制作した映画です。
隣人役ウィル・パットン
この方も、色々な映画に出ている方。
「コピーキャット」とか「アルマゲドン」とか、主人公のそばにいてくれてほっとするひと。
よく見るから、とてもメジャーな役者さんというイメージだったのですが、こんなちょっと変わった役もされるんですね。
年老いて、変わり者の彼の存在も大事です。
ミナリ の意味
「ミナリ」はセリの事なんですね。
ミナリはどこでも育ち誰でも食べられる。
キムチやチゲや、なんでも使えて身体にいい。
お祖母ちゃんは韓国からミナリの種を持ってきて、水辺に植えます。
「ワンダフル ミナリ」とお祖母ちゃんが歌います。
日本だと「せって生える」からセリだけど、
ミナリは1シーズン目より、2シーズン目に出る芽がおいしくて、大地に根をはっていくのだと。
おいしいミナリの肥やしになってくれた最初のミナリ、
それが、新しい場所で生きる事を支えてくれた、見た事がない韓国という故郷そのものであるお祖母ちゃんをあらわしています。
最後エンドロールにあった「全てのおばあちゃんに捧ぐ」という言葉に、韓国系アメリカ人として生きる監督の、お祖母ちゃん世代への想いが込められていました。
「ミナリ」視聴方法 (2022年 2月情報)(2023年 9月情報更新)
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