≪B-K≫
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「オリエント急行の殺人」
Murder on the Orient Express
イギリス(2010年)
前記事でマルコヴィッチ版エルキュール・ポアロドラマを紹介しましたが、
やはり本家本元デヴィッド・スーシェ版の作品から、
彼の最高傑作と言っていいのでは、と思う作品を紹介します。
アガサ・クリスティの長編14作目で、代表作のミステリーです。
何度も映画・ドラマ化されていて、シドニー・ルメット監督版もあるし、最近では2017年のケネス・ブラナー監督主演の映画が話題でした。
そのデヴィッド・スーシェ版です。
英国ドラマ「名探偵ポアロ」シリーズは2013年で終了しましたが、その前に満を持して制作され、配役もセットも豪華で映画のようなドラマです。
タッチもコメディ調ではなくて重く、
法と正義の間に立たされるポアロのデヴィッド・スーシエが、これまでの年月を込めるがごとく渾身の演技を見せます。
視聴方法も紹介しますのでぜひ参考にして下さい。

「オリエント急行の殺人」 Staff & Cast
監督/ フィリップ・マーティン
脚本/ スチュワート・ハーコート
原作/ アガサ・クリスティ「Murder on the Orient Express」(1934年)
出演/ デヴィッド・スーシエ
トビー・ジョーンズ
ジェシカ・チャスティン
アイリーン・アトキンス

「オリエント急行の殺人」あらすじ
このミステリーを未読未視聴の方には、あらすじ解説等読まれないで観られるのがやっぱりおすすめです
ポアロはパレスチナで軍から要請された事件を解決し、イスタンプールへ。
その街中で、不貞をはたらいて妊娠した女性が罰を受ける場面に遭遇します。
彼は電報を受けて急ぎロンドンに戻る事になり、たまたま乗客の空きができたオリエント急行に乗車します。
一等車には各国の上流階級の乗客たちが乗っていました。
その中のラチェット(トビー・ジョーンズ)という人物から守ってほしいと頼まれ、ポアロは札束を積まれますが断ります。
二日目の夜、列車はユーゴスラヴィアの山地に入り、雪崩にあって脱線してしまいます。
雪に埋もれ立往生となった朝、ラチェットの刺殺された姿が発見されます。
ポアロは鉄道会社から捜査を頼まれ、一等乗客を食堂車に集めます。
部屋にあった燃えカスや脅迫状から、ラチェットは偽名で、彼がニューヨークで起きた未決の誘拐殺人犯であると突きとめます。
「オリエント急行の殺人」解説
ドラマは冒頭パレスチナで、ポアロが犯人である兵士を厳しく断罪する場面から始まります。兵士は拳銃で自決をはかってしまいます。
事件は解決しますが、同じ隊の兵士は「彼は善人だった」とポアロを非難するように言い、ポアロは「罪から逃げた」と返します。
イスタンプール市街の出来事ではその場に列車で同乗するメアリー・デベナム(ジェシカ・チャスティン)もいました。
彼女はその罰は間違っていると考え、ポアロはあれがその土地の正義であり女性も罰を覚悟していたと考え、対立します。
この出来事は、それから起きる事件を暗示しています。
オリエント急行で、5年前子どもを誘拐し殺した犯人が殺されます。
復讐のため起きたその殺人で、ポアロは正義、法、神の裁きのはざまに立たされます。
法も神も応えなかったとき、報復は許されるのか。
ポアロは「隣人が勝手に裁きはじめては中世と同じである、法の精神が揺らぐときは必死で支えなくてはならない、それが崩れたら文明は全ての拠り所を失う」と訴えます。
演じるスーシェは鬼の形相、渾身のポアロ像です。
このシリーズの命題ともいえるテーマが詰まった回であり、この事件でポアロがした苦渋の選択は最終話「カーテン」に引き継がれます。
重いテーマが描かれた作品ですが、初回と比べずいぶん年もとったスーシェ氏の人生の重みもかかってくるような言葉で、観るたびに涙がこみ上げます。
*
力がものすごく入っているのに、ローソクに照らされた客車にささやくような声が響く情景がとても良かったです。
映画とまた違って、画面がしっとりしていて、古い豪華列車で旅をしている気分になれます。
嫌らしい犯罪者役がとってもうまいのはトビー・ジョーンズ。
この方が出演するとドラマが楽しみになります。

トビー・ジョーンズも英国BBCドラマ「シャーロック」4-2でなんとも嫌なかんじの犯罪者役でした。
それから前記事で紹介したサラ・フェルプス脚色「検察側の証人」の主人公です。
ケネス・ブラナー版「オリエント急行殺人事件」
ケネス・ブラナー版とスーシエ版がどう違うのかを紹介します。
この2作は描いているものが違います。

前述の、スーシエ版は復讐は正義なのかどうか、真っ向から描いています。
ケネス版では、そもそも5年前の事件ではポアロにも依頼があり、早いうちにそれは明かされます。
ポアロは誰かを責めたり判断する立場ではなく彼も被害者側であり、同時に復讐者と並んだ立場として事件に答えを出し、「癒し」に重きがおかれています。
復讐譚としては、私は・・・スーシエ版の展開がいいなと思いますが、そこは別ものとして楽しむべきなのでしょう。
ケネス版は、巨費を投じた映画であり、初めから迫力があり見ごたえがあります。こちらも列車旅をとても楽しめます。
最初の方はコメディタッチのポアロで、やっぱり楽しいポアロ、いいなと思いました。
でも、事件を解明する場面は、ケネスポアロも静かに語ります。
前記事、サラフェルプス脚本ものから、ちょっと重いポアロを続けて紹介したので、最後はケネス版で明るい気持ちになってほしくなりました。
ケネス版、そもそもとんでもなく豪華です。
監督・主演 ケネス・ブラナー
ペネロペ・クルス ウィレム・デフォー ジュディ・デンチ ジョニー・デップ ミシェル・ファイファー オリヴィア・コールマン・・・
なんなんだ!と言いたくなるほど豪華俳優の方々ですね。
ジュディ・デンチのメイド役がオリヴィア・コールマンってとこウケました。
ケネスポアロは次にナイルに向かいます。
またまたすごそうですね。
「ナイル殺人事件」2022年2月25日(金)公開➡「ナイル殺人事件」
スーシエ版では「オリエント急行の殺人」制作という事で満を持して起用されたのが、「刑事ヴァランダー」の監督フィリップ・マーティンでした。イギリスBBC制作のこのドラマの製作総指揮、主演がケネス・ブラナー。ケネスポアロのカイゼルひげもよかったけど・・・・
やっぱり私には、混乱して荒野でおののくヴァランダーをやったケネス、良かった・・・

第3話 友の足跡
「オリエント急行の殺人」視聴方法
■スーシエ版はAmazon Prime Video レンタルで視聴できます。
「オリエント急行の殺人」は、名探偵ポアロシリーズ第6弾のエピソード12になります。
Amazon Prime では有料なのですが、シネフィルwowowプラスなら、14日間の無料体験があります。(字幕のみ)
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■ケネス版「オリエント急行殺人事件」も、有料ですがAmazon Prime Videodで視聴できます。↓(字幕・ふき替えあり)
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■その他、スーシエ版視聴方法
前記事で紹介したAXNミステリーでも、時々ポアロシリーズをやっているのですが、たくさんあるのでなかなか放送日を特定できない💦
TSUTAYA DISCASでもレンタルできます。
名探偵ポワロ[完全版] 47 になります↓

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