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「眺めのいい部屋」
A Room with a View
イギリス(1986年)
ジェイムズ・アイヴォリー監督が手がける、
「モーリス」(1987年)「ハワーズ・エンド」(1992年)へと続く、E・M・フォースター原作の映画です。
中流階級の令嬢が、開放的な気持ちになった旅先フィレンツエで、
労働者階級の青年と出会います。
階級社会の中で揺れ動く主人公の心情を、19歳のヘレナ・ボナム=カーターがみごとに演じた名作です。
引退を表明したダニエル・デイ=ルイスは上流階級の青年そのもの。
80年代、英国貴公子ブームとなった作品のひとつです。
≪eiga.com≫
「眺めのいい部屋」スタッフ/キャスト
監督:ジェームズ・アイヴォリー監督
脚色:ルース・プラワー・ジャブヴァーラ
原作:E.M.フォースター 「眺めのいい部屋」(1908年)
出演:ヘレナ・ボナム=カーター
マギー・スミス
ジュリアン・サンズ
ダニエル・デイ=ルイス
ジュディ・デンチ
音楽:リチャード・ロビンズ
撮影:トニー・ピアース=ロバーツ
アカデミー賞/脚色賞・衣装賞・美術賞
「眺めのいい部屋」あらすじ
1907年、良家の子女ルーシー・ハニーチャーチ(ヘレナ・ボナム=カーター)は、お目付け役の従妹、シャーロット(マギー・スミス)と共にイタリア・フィレンツエを旅します。
宿はイギリス人がよく使うペンション・ベルトリーニ。
窓からは路地しか見えない、眺めがよくない部屋でした。
苦情を言い立てるシャーロットの声を聞き、一風変わったエマソン親子が部屋の交換を申し出ます。
ルーシーはエマソン親子の息子ジョージ(ジュリアン・サンズ)に、街中でも助けられます。
エマソン親子、小説家のラヴィッシュ女史(ジュディ・デンチ)らとピクニックに出かけ、
輝く麦畑の中で、ルーシーはジョージから情熱的なキスをされます。
二人の様子に気づいたシャーロットは、ルーシーを連れ急ぎ帰国してしまいます。
イギリスに帰ったルーシーは、上流階級で教養の高いシシル(ダニエル・デイ=ルイス)からの求婚を受けます。
ところが、シシルの紹介でエマソン親子が近所に越してくることに。
ラヴィッシュ女史の新作小説はフィレンツェでのルーシーがモデルであり、麦畑の出来事も描かれていました。
偶然ルーシーはその一節を聞き、ジョージからは再びキスをされ混乱します。
「眺めのいい部屋」レビュー(ネタバレ注意です!)
結婚を決めるポイントってなんでしょう??
フィレンツェで出会い、同じ宿に泊まっていたアラン姉妹がいいこと言います。
二人はかなりのおばあさんですが、とても元気なお金持ちで、フィレンツェの次はギリシャに行くらしいのです。
ルーシーはジョージに気持ちをかき乱され、
シシルとの婚約を解消します。
(そこは正直な気持ちに従って、早々とできたのですが…)
噂が広まる前に、アラン姉妹と共にギリシャに旅立つことにします。
婚約解消の事は内緒で、旅行同行をお願いしにルーシーはアラン姉妹に会いに行きます。
彼女に会って、アラン姉妹は
「(ルーシーの事を)花嫁になる娘には見えないわ
何か欠けてるわ…ふつうはもっと輝きが…」
と、見抜いてしまいます。
彼女は婚約を解消したばかりで輝いていないのは当然なのですが、シシルと婚約した時も幸福そうではあったけど、輝いていたとは言えませんでした。
ルーシーは、ジョージが大好きな自分の気持ちを認めた時、はじけるような笑顔を見せます。
その瞬間の笑顔につきる、と言っていい作品です。
ほんと花嫁って、輝いているから。
(まーいろんな結婚がありますから、別にいいんですけどー)
≪eiga.com≫
世間的に問題がないシシルとの結婚は、令嬢としてあるべき姿・とるべき行動に即し、簡単に決定できるように見えました。
しかし、自分の感情に従ってコトを決めるとなると経験もなく、ルーシーにとって大変な事だったのかもしれません。
特に女性にとっては制約だらけの時代が舞台ですが、主人公は自分の感情に気づき正直になってパートナーを選びます。
プッチーニ、シューマン、ベートーベンの音楽が彼女の感情に沿うように使われます。
馬車に交じって自動車も見え、伝統に新しいものが生まれはじめた時代そのものも表現されているようです。
昔でなくても、自分の気持ちが分からなくなるのは、よくある事ではないでしょうか。
「好き」に正直になった時の世界が変わるような幸福感と輝き。
とても共感できる素敵な映画です。
ルーシー役のヘレナ・ボナム=カーターはこの作品で世界的に有名になります。
86年の作品、
今観るとみなさんお若いですね。
BBC制作「シャーロック」レストレード警部のルパート・グレイヴスが、ルーシーの弟フレディ役で子どもか!って言いたくなるくらい若い!
引退を表明した(悲)ダニエル・デイ=ルイスもこの時はお若いでしょうが、上から目線でつまらない男、でも心からルーシーを愛しているシシルを軽々と演じているように見えてしまいます。
一番驚いたのはジュディ・デンチ。
最近だと、重鎮みたいな役ばかり目にするものだから、美しくて奔放そうで、色気たっぷりの彼女にびっくりしました。
(ハリポタ、マクゴナガル先生のマギー・スミスだけはずっと変わらない気がします…)
関連作品「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」(1993年)
ダニエル・デイ=ルイス主演で大好きな作品で、恋愛映画ベスト10に入れていた映画です。でもちゃんと観たらつまらなかった…
(後半⦅前半)だけ観たらいい映画ってありませんか~?)
でも、ダニエル・デイ=ルイスを観たい方におすすめ
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