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「蜘蛛女のキス」
Kiss of the Spider Woman
ブラジル・アメリカ(1985年)
相手が自分の性的指向の対象ではなくても
相手の事がとても大切な存在になれば
身体的にも受けいれる事ができるのだ
愛ってすごいと
いたく感動したものです。
あれから35年たちまして。
まてよ?あの時とても感動したけれどほんとにできるのか、いちおうよく考えてみました。
よくよく考えてみたのですが
(けっして暇ではないけれど)
相手がとても大切な信頼する友人となり、
相手は自分を好きで好きでたまらなくて、
結ばれたいが叶わず悲しみにくれている。
軍事政権下で、自分はこのまま拷問され獄中死するかもしれず、
相手とはもう二度と会う事はないだろう。
という状況だったら、うん、したらいいじゃんとやっぱり思う。
そもそも、相手はもう異性に見えますし。
2022年新年そうそう、できるとかするとか、どうもどうも。
お正月というものはすごく忙しいので、記事が遅くなりましたが、
本年もどうぞよろしくお願いします!
≪eiga.com≫
アルゼンチンから亡命した作家マヌエル・プイグ原作で、何度も舞台化されている作品です。
同房になった二人のやりとりがずっと描かれる、
刑務所の中というシチュエーションなので、舞台劇にぴったりですね。
でも映画は映画でとってもいいんです。
軍事政権下、革命家のヴァレンティンは投獄され、ひどい拷問を受けています。
トランスジェンダーのモリーナは、未成年にたいする性的行為で懲役刑です。
拷問の痛みに苦しむヴァレンティンのため、モリーナは世話をし、恋愛映画のストーリーを話してきかせます。
始め苛立っていたヴァレンティンですが、徐々にモリーナの話しに癒され始めます。
映画では、モリーナが語る映画や、ヴァレンティンが逮捕される前の映像も流れるのですが、ほとんどは刑務所の二人のシーンです。
でも、映画にはとても奥行があります。
最初にながれる音楽からとても素敵で、
灰色で薄汚れた房のシーンになってしまいますが、とても引き込まれていきます。
房の中から、
不穏な社会状況や、南米の空気が伝わってくるような気がします。
そして、モリーナの語りがとても素晴らしい。
映像がなくても、本当にどこかに連れて行ってくれる感じ。
彼女が抱える背景・状況はとても複雑なのですが、母性を持って対応しているように見えます。
悲しい結末なのに、とても幸福な映画を観た気持ちになります。
国を捨てなければならない作者の心情というのは、想像する事もできませんが、彼だから書ける物語なんでしょう。
「蜘蛛女」のキスとは、二人にとってなんなのか。
観たひとそれぞれに、想いを残すにちがいありません。
🕷🕷🕷
モリーナ役のウィリアム・ハートは、その年の賞を総なめにしました。
ヴァレンティン役のラウル・ジュリアは「アダムス・ファミリー」のお父さん役で、大好きで観すぎてしまい、いまにもおふざけを言い出すような気がしてしまいます。
早世され、とても残念です。
「蜘蛛女のキス」Staff & Cast
監督/エクトール・バベンコ
脚本/レナード・シュレイダー
原作/マヌエル・プイグ
出演/ウィリアム・ハート
ラウル・ジュリア
ソニア・ブラガ
音楽/ジョン・ネシュリング
撮影/ロドルフォ・サンチェス
編集/マウロ・アリス
アカデミー賞主演男優賞/ウィリアム・ハート
カンヌ国際映画祭男優賞/ウィリアム・ハート
「蜘蛛女のキス」視聴方法
※2022年5月、情報追記・・・配信終了となりました;
■本作は U-NEXT で配信中です。※2022年2月28日 23:59までの配信なので、お急ぎください!!
「蜘蛛女のキス」は、
U-NEXT や amazon prime video で配信されていましたが、どちらも終了しました。TSUTAYA DISCAS も、在庫数0という状況です。
購入しないと視聴が難しい状況です。
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